慣れれば大丈夫!メダカの育て方で少し難しい産卵と採卵の方法
2015/11/16
メダカを飼育していると、卵を産むことがあると思います。
今回はそんなメダカの「新しい命」である、「卵の育て方」についてお話します。
メダカの卵の扱いは不慣れだと難しく感じることが多いと思いますが、この記事ではそんな難しい話を省き、「初心者さんでもやりやすい方法」を書こうと思います。
解説をよりわかりやすくするため、ここでは「屋外飼育」の場合を書きますが、室内でもほぼ同じ方法で可能です。
Contents
まず用意してほしいもの
メダカの卵を初心者さんでも簡単に扱うために、用意してほしいものがあります。
プラケース二つ
(画像:プラケースはまとめ買いがお得)
稚魚用の飼育容器
(画像:保温性も高い発泡スチロール容器)
浮草(アマゾンフロッグビットやサルビニア、ホテイアオイ等の根がしっかりしたもの)
(画像:ホテイアオイ)
以上の三点です。プラケースは「透明な容器」でもかまいません。
あまり大きいものよりも小さなもののほうが、以下に紹介する方法では使いやすいと思います。
「稚魚用の飼育容器」は暫くの間、「卵から産まれた稚魚」をそこで飼育しますので、それなりに水量があるものにしてください。
「メダカを飼育するつもり」で用意するとよいでしょう。
浮草はまず親の飼育容器に浮かべておきましょう。(よほど日当たりが悪い場所でなければ、浮草は春先よりどんどんと増えていきます。あまり多くなった場合は、「卵が根にについていないか確認をして」適度に間引きましょう)
オスメスを見分けよう
メダカのオスメスの見分け方についてです。
なかなか卵を産まない場合、片方の性別のメダカしかいなかったりする場合もありますので、覚えておくとよいでしょう。
メスはオスと比較すると、
・背びれが丸く切れ込みがない
・しりびれが小さい(形状も違います)
・お腹に丸みがある
等の特徴があります。
オスメスを一緒に飼育していると、暖かくなり始めた頃から頻繁に産卵行動が行われるようになります。
オスがメスの前でくるりと回るという「求愛行動」を見せていたりすれば、ほぼ確実に産卵は行われます。
卵を見つけよう
水温が約18℃以上(4月以降が目安)等の条件が揃えば、メダカはよく産卵する生き物です。
初心者さんでも少し観察すれば、メダカの卵をそう難なく見つけることが出来るでしょう。
メダカの卵を探すポイントは二つありますので、覚えておくとより見つけやすくなります。
①メスのお腹
産卵直後のメスは、お腹に卵をぶら下げて泳いでいます。
上からしか見えない容器で飼育している場合、なかなか見づらいかもしれませんが、水面を斜めに見る等して見てみましょう。
卵かな?と思い良くわからなければそっと、プラケースにメスごとすくってみてもいかもしれません。軽く餌を巻けばそういう作業はしやすくなります。)
透明の小さな粒がいくつかおなかについていたら・・・それが卵です!
②水草など
メスはそのお腹につけていた卵を水草などに擦りつけ、付着させていきます。
お腹につけている時間はそう長いものではないので、そういった場所を見てみるのも大切です。
浮草であれば親の飼育容器の水と一緒にプラケース等に移し、横から見て探すことができます。
たまにそうやって卵を探してみましょう。その時はあまりメダカ達を驚かさないように注意してくださいね。
他にも卵のある場所については色々とあるのですが、まずはこの二つの状況にあわせた対策をお話します。
範囲の限られた飼育環境では、「メダカの卵」は「他のメダカや親メダカ」に食べられてしまうことが多いからなのです。
メスのお腹から卵を採ろう
お腹にぶら下げた卵を採り、卵を食べる大人のメダカのいない環境へと移します。
慣れてこれば「柔らかい筆」や「濡らした手の指」で採取することができますが、最初その方法は「親にダメージを与えずに行う事」が難しいかもしれません。
その場合に使用するのが、「二つのプラケース」と「浮草」です。
この方法ではあまり親メダカに負担をかけず行うことができます。
方法は簡単、親メダカと「多めの浮草」をプラケースに飼育水とともにいれます。
もう一つのプラケースには「水だけ」をいれておきます。そのまま辛抱強く観察してください。
この時は小さな容器ですので日差しにやられてしまったりしますから、室内で行うとよいでしょう。
やがて親は浮草の「根」に卵をこすりつけ、ひとつひとつ離していきます。
その「根に卵のついた浮草」を親に食べられないよう、「水だけ」が入った容器に移していきます。
そうすれば少し時間はかかりますが、メダカの卵をあまり「負担なく」採取することができます。
卵を孵化させよう
卵の付着した浮草を管理する方法を説明します。
新しい「稚魚用の飼育容器」に、「水道水」をはりその浮草を浮かべます。
設置場所はあまり直射日光が当たりすぎない場所が良いでしょう。それでこの作業は終わりです。
水道水は「魚」には有害ですが、「卵」の保管には「水カビ」等から守ってくれる効果があります。
本来であればその水道水を何度か水換えしていくのですが、感覚がわからないうちはそのまま置いておいても大丈夫だと思います。
水道水は孵化した稚魚には良くない場合があり、タイミングを間違うのが危険だからです。
もしこの方法が不安であれば最初から親の容器の水を使用して、それで孵化の挑戦をしてもよいかもしれません。
初心者さんはあれこれ難しく考えるよりも環境を安定させることを優先したほうがうまくいくこともあるのです。
「飼育容器にある程度の水量」がある事で、その維持はしやすくなります。
しばらくすれば水温にもよりますが、小さな稚魚が浮草の下を泳いでいるはずです。
採卵の注意
今回紹介した方法は「すべての卵を確実に採り、孵化率をよりあげる」方法ではありません。
より良い方法、もっと手をかけることはどれだけでも可能です。
ただ「メダカ」はとても多くの卵を産む生き物です。
メダカの繁殖はそう難しいものではありません。
しかし「全て採卵、孵化」させていくことは、とても大変なことなのです。
安易に増やしてしまうと、過密飼育での水質悪化を招いてしまったりもします・・。
メダカを繁殖させたい方はその点を考えねばなりません。
基本的には卵は隔離をしないと、大人のメダカが食べてしまいます。
まれにそこそこ広さがあったり、水草等の隠れ家が多い場合は、同じ容器で子供が生まれ成長する場合もあります。
繁殖をするときは「まずその方法」を知り、「自分の管理しきれる範囲なのか」を考えて行うようにしましょう。
繁殖。それはとても神秘的で貴重な体験です。
ただ飼育するだけではない喜びがそこにはあると思います。
是非、飼育されている方は一度チャレンジしてみてください。