金魚は冬眠する?失敗しない金魚の冬越し方法
2017/02/16
「金魚の冬眠」あまり聞いたことのない言葉かも知れませんが、とても古くから行われている飼育の方法です。
(画像:江戸錦)
基本的に冬眠は、「より良い体型の金魚」に育てたり、「繁殖目的」のために行われるという少し専門的なことなのですが、そこには「初心者の方が金魚を安全に冬越しさせる」為のヒントが多く隠れています。
今回はそんな冬眠から学ぶ、「初心者さんでも失敗しない金魚の冬越し」の仕方のお話をします。
Contents
水温を見よう
金魚が冬眠に入るのは、水温5℃以下または気温が10℃以下だといわれています。
条件により左右されますが、目安として把握しておくことが大切です。
なので水温計は常備しまめにチェックしましょう。
その際水温をただ見るのではなく、「水温変化と金魚の様子」を合わせて観察することで、理解を深めることがとても大切です。
いつかその経験が、金魚の様子を見て色々なことを決めるという飼育に繋がると思いますよ。
特に季節の変わり目なんかは、水温変動が大きいのでよく見るようにしましょう。
水温を知ることは「完全に水中でくらす」金魚の飼育にとって、とても重要なことです。
冬越しの準備
水温が低下する秋ごろから金魚は餌を食べる量が減り、動きが鈍くなります。
いきなりではなく、温度が下がるにつれて、「だんだんとそのような状態」になっていくのです。
まずは「冬越し」の前に、「冬に向かう秋の段階」でいくつか気をつけていきたいことがありますので覚えておきましょう。
①餌は少なめ、昼間に与える
涼しくなり、水温が低下しはじめる秋ごろから金魚の食事量が減っていきます。
それにあわせ、「食べ残しがないように」与えましょう。
だんだんと給餌量が減っていくはずです。
また、「消化不良」をおこしやすくなりますので、餌は必ず「暖かい昼間」に与えるようにします。
気温の落ちていく夕方に与えるのは、よくありません。
②水温変化を与え過ぎない
水換えの時に寒そうだからといって、暖かいお湯を足したりしてはいけません。
必ず飼育容器と水温を揃えて静かに行いましょう。
ゆっくりと季節変化で水が冷えていくことで金魚は、低水温に慣れていきます。
③水の維持をしよう(注意あり)
涼しくなるに合わせ、「冬越し」の為に、容器内の「コケ」や水が緑色の状態の青水を無くさないようにします。
これらを残しておくことで、冬眠の成功率が上がると言われています。
水換えを全水量ではなく、水量の何分の一かで行うことで、維持をしていくのが一般的な方法です。
だんだんと寒くなるに合わせ、「水換えの量」を減らし、最終的には「蒸発したぶんを足すだけ」にしていくという流れで行われているようです。
※青水やコケに関してはデメリットもあります。こちらに関しては金魚を購入した専門店等で詳しく聞きましょう。
よく理解してから利用すると良いです。
このように「金魚に合わせて」いろいろと行うことが、冬越しの準備ではとても大切なのです。
水量による保護
水量が多ければ多いほど、「水温の変化」は緩やかで、「外気」の影響を受けにくいです。
そうすることにより、冬場を落ち着いた状態ですごさせてあげましょう。
また、屋外ではガラス製の水槽等は、外気や日照の影響を受け易いので、「透明ではないもの」を使用しましょう。
水深は30センチ以上欲しいところです。
あまり浅いと、氷がはったときに、金魚まで達してしまうからです。
逆を言えば、小さな容器で「冬眠」をねらってはいけません。
それが原因で、最悪金魚を死なせてしまうことにもなります。
室内で冬眠させずに冬越しする場合も、できるだけ水量は多いほうが良いです。
それもまた変化を緩やかにするためです。
冬場は水温変化を緩やかにするために、「発泡スチロール板等で囲い保温性を上げる」ことも合わせて行うとよいでしょう。
この方法は、室内のガラス水槽でも使えます。
観察用に水槽前面だけ覆わずに残し、「残りの三面」を保温性のあるもので囲むだけでも水温の変動は緩やかになります。
金魚が完全に冬眠に入ったら
金魚が「餌も取らず水底でじっとしている冬眠状態」にはいったら、以下の様なことに気をつけて見守ってあげましょう。
①あまり温度変化を与えないこと
中途半端に目覚めさせては、体力を無駄に消耗しますのであまりよくありません。
一日の中で10℃を超えてしまう時間が出てくるようでは、冬眠とはいえないのです。
そして水換えも行わず、フィルターも止めて「静か」にしておきます。
また、室内飼育の場合、「暖房のオンオフ」等により水温が一日の中で何度も変動してしまう時があります。
そういう時は「冬眠はできない」どころか負担がかかるので、後述する「水中ヒーターを使用した加温飼育」をするほうがよいでしょう。
②餌を与えない
冬眠中に餌は与えません。
いたずらに水を汚してしまうだけなのです。
冬眠中の金魚の代謝はとても低いものになり、エネルギーをあまり消費しないようになっています。
無理に食べさせて消化不良を起こさないようにするほうが懸命です。
③まめに観察しよう
冬場でも水は蒸発していきます。
そういう場合は静かに、同じ温度の水を足してやらねばなりません。
また、雪等もふりますから、その対策をしてあげる必要もあります。
冬眠中だからといって、観察を欠かさないようにしましょう。
金魚は暖かくなるまでじっと静かにしています。
時々その様子を見て「問題ないか」を確認しましょう。
ヒーターでの加温飼育の意図
前途した室内等で、「一日の中での温度変化が激しい」場合は水中ヒーターで加温して上げるのがよいでしょう。
(画像:水中ヒーター)
金魚は基本的には無加温で飼育できる生き物ですが、あまり水温の変化がありすぎると、体調を崩したりしてしまうことがあります。
温度を高くするというより、水温の変化を減らすためにヒーターを使用するのです。
ヒーターはあまり高温に設定する必要はありません。
設定温度をかえれるものを使用し、「暖房をつけた時とそうでない時」等の水温差があまり大きくでないように、設定してあげればよいのです。
「通常に飼育するための水温」の目安としては15℃以上と言われています。
もちろん電気代はかかりますが、低めの設定であればそう高いものではありません。
また、前途したとおり、「水量が多ければ多いほど」水温変化は緩やかになります。
ですから室内でも水槽サイズを大きくすることで、対策することは立派な「冬越し方法」の一つだといえるのです。
※ヒーターの取り扱いには十分注意してください。
室内でも安定していれば
室内でも水温が安定して低ければ、「冬眠」はおこりうります。
暖房を入れない玄関等では、ありえるかもしれません。
そういう場合は、金魚をちゃんと「冬眠状態」として扱ってあげましょう。
同じ発想で、「水温がそこそこ高めで安定している場所」で飼育するという方法もあります。
常に暖かさのある部屋や上記の加温飼育で、「今までどおり普通に」飼育することもできるのです。
その場合は給餌したりで水が汚れますので、ちゃんと水換え等のメンテナンスもかわらずしてあげてください。
この場合も、水温を揃えることはとても大切です。
暖かく暮らしていいる金魚にいきなり冷たい水をいれては刺激が強すぎます。
自分にできる冬越しを選択することで
金魚の冬越しは様々な方法があります。
初心者の方は、「何故冬眠させるか」などと難しく考えず、「冬眠も冬越しの一つの方法である」というくらいに捉えておくのも良いかもしれません。
その数ある冬越しの中で、一番自分が確実にできそうな方法を選んでみてはどうでしょうか。
金魚は本当に幅広く、簡単な飼育から専門的な繁殖、飼育しやすい品種や難易度の高い品種など、多く存在します。
しかしまずは「自分の飼育する大切な金魚」の冬越しを成功させてみましょう。
その経験が、貴方をより良い金魚飼育者にしてくれるはずです。
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